- 自分の雇い止めが無効な雇い止めなのかどうかわかる
- 雇い止めに関する基礎知識が身に付く
- 雇い止めが無効な場合に何ができるのかわかる
- 雇い止めに関する請求の方法がわかる
- 雇い止めを弁護士に依頼するメリットとデメリットがわかる
目次
【パターン別】雇い止めが無効になる場合とは?
雇い止めパターン①
特徴
- 業務内容が正社員と異なり臨時的
- 契約更新手続きが厳格(契約更新をする際には必ず契約書の取り交わしが行われる)
- 以前から社内で雇い止めが行われている(通常は契約更新されない)
有効無効の判断
原則有効
雇い止めパターン②
特徴
- 業務内容が正社員と同じ
- 契約更新が期待できるような言動を上司からされている
- 契約更新の手続きが形式的(契約更新の際に何の手続きもなくほぼ自動的に契約更新されている)
- 過去に社内で雇い止めが行なわれたことはない(通常は契約更新される)
有効無効の判断
原則無効
雇い止めパターン③
特徴
- 業務内容が正社員と異なり臨時的
- 自分自身は過去に何度も契約更新をされ続けてきた
- 過去に社内で雇い止めが行なわれたことはある(契約更新されない従業員もいる)
有効無効の判断
原則無効
雇い止めパターン④
特徴
- 1度目の契約である(まだ契約更新されていない)
- 契約更新されることを前提として採用された
有効無効の判断
原則無効
雇い止めが無効の場合は何を請求できるの?
復職
職場に復帰することです。
バックペイ(未払賃金)
バックペイとは、雇い止めされずに働いていれば現在までに得られていた給料です。
慰謝料
慰謝料は、雇い止め自体が不法行為と言える場合でなければ認められず、ほとんどの場合では認められていません。
雇い止め無効による請求の時効
復職
時効はありません、いつでも請求できます。
慰謝料
3年
バックペイ
2年
請求方法
会社へ請求する
会社に対し、内容証明郵便等を送り、慰謝料等の請求を行います。
これは、会社との直接のやりとりであり、裁判所等の法的機関は関与しない任意の交渉です。
交渉は裁判所を通じた手続きではないため、相手が請求に応じない場合が多いです。
※弁護士を立てずに自分で行う場合、労働審判や裁判を行う方が解決する可能性が高いです。
労働審判を行う
労働審判とは、裁判所を通じた話し合いの手続きです。最大3回の労働審判期日が開かれ、最後には審判(判決と同じようなもの)が下されます。
労働審判におけるほとんどの事件は1回目又は2回目の労働審判期日で和解が成立しています。
このように、労働審判では和解で解決することがほとんどです。
もっとも、和解の場合にはある程度譲歩する必要があるため、自分の請求が全て認められる和解はまずあり得ません。
そのため、一切譲歩したくない方、白黒はっきり付けたい方には裁判がオススメです。
解決までにかかる期間としては平均して3ヶ月から半年程度です。
裁判を行う
裁判とは、裁判所を通じた厳格な手続きです。
裁判所の最終的な判断(判決)を得ることができるため、問題が解決するすることはできますが、一方で負けるリスクもあります。
多くの場合、判決が出る前に和解し、判決まで争い続ける場合は少ないです。
解決までにかかる期間としては平均して半年から1年程度です。
まとめ
①自分で請求する場合には労働審判か裁判がオススメ
②その中でも、早期解決がしたい人は労働審判、白黒はっきりつけたい人は裁判がオススメ
雇い止め無効を弁護士に依頼するメリットとデメリット
メリット
精神的な負担が減る
弁護士に依頼した場合、直接相手とやりとりする必要がなく、精神的な負担はかなり減ります。
時間が取られない
弁護士に依頼しない場合、必要書類の収集や作成、裁判所への出頭などを全て自分で行わなければなりません。その点で、弁護士に依頼すれば全て弁護士が行ってくれるため、時間を取られずに日常生活を送れます。
法的知識を駆使してうまく戦ってもらえる
弁護士は法律の専門家であるため、うまく法律に落とし込んで戦ってもらえます。
デメリット
お金がかかる
雇い止め無効で弁護士に労働審判や裁判を依頼する場合、着手金で20万円から30万円程度、成功報酬金で勝ち取った金額の15%程度から25%程度かかります。
※着手金無料の法律事務所もありますが、その場合には成功報酬金に最低額がある場合が多く、実際には弁護士に依頼すると30万円程度はかかると思った方が良いです。
※着手金無料の場合、内容によっては受けてもらえない場合もあります。
できる限りお金をかけたくないのであれば、弁護士に依頼せずご自身で行う方が良いでしょう。
必ずしも弁護士に依頼すれば勝てるわけではない
弁護士はあくまで証拠を作り出すことはできません。
そのため、そもそも雇い止めが有効だと思われる事案では、どんなに優秀な弁護士に依頼しても勝てる可能性は乏しいです。
その結果、弁護士費用の分だけ損をしてしまう可能性があります。