- 自分の残業代が足りないのかがわかる
- 正確な残業代の計算方法がわかる
- 実際に残業代を請求する方法がわかる
- 残業代請求を弁護士に依頼するメリットとデメリットがわかる
目次
残業代が不足している例
残業代が不足していると言っても様々な場合がありますが、大きく分けると次の3パターンになります。
- そもそも残業代が支給されていない
- 残業代の支給額が不足している
- 固定残業代で決められた残業時間以上に残業しているのに固定残業代以外の残業代が支払われない
残業代に関する基礎知識
残業代の計算方法
残業代の計算式
(月給)÷(1か月あたりの所定労働時間)×残業時間×割増率
次に、この計算式の内容について解説していきます。
月給とは
残業代を計算する際の月給とは、給与明細に記載されている給料(税引き前)から、次の項目を除いた額です。
①家族手当
②通勤手当(交通費)
③別居手当
④子女教育手当(教育手当)
⑤住宅手当(住居費)
⑥臨時に支払われた賃金(インセンティブ手当等)
⑦1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナス等)
所定労働時間・法定労働時間・法定休日とは?
所定労働時間とは
会社との雇用契約で定められた労働時間(1日8時間など)です。
法定労働時間とは
休憩時間を除いた1日8時間又は1週間あたり40時間を指します。
法定休日とは
週1日の休日です。
※週2日(土日)ではないことに注意しましょう。
割増率とは?
割増率が発生する場合
割増率が発生する場合は、次の3つの場合の組み合わせになります。
- 法定労働時間を超える労働
- 法定休日における労働
- 深夜労働(午後10時から午前5時)
割増率
割増率 | 午前5時~午後10時 | 午後10時~午前5時 |
所定外労働かつ法定内労働 | 割増なし | 1.25倍 |
法定外労働 | 1.25倍 | 1.5倍 |
法定休日労働 | 1.35倍 | 1.6倍 |
ex:法定労働時間を超え、かつ深夜労働の場合→1.5倍
法定休日労働であり、かつ深夜労働の場合→1.6倍
固定残業代の問題点
固定残業代とは?
固定残業代とは、実際に残業したかどうかにかかわらず、あらかじめ決められた残業時間について残業代が支給されるもの(みなし残業代とも呼ばれます)です。
固定残業代の支給だけでは不十分な場合がある
多くの人が、固定残業代の場合には固定残業代以外の残業代は一切支給されないと考えている人がいます。
しかし、それは大間違いです!
固定残業代の場合、固定残業代として決められた残業時間を超えた場合、別途固定残業代に加えて残業代を支払わなければなりません。
固定残業代自体が無効となる場合とは?
固定残業代に関する記事はこちらをご覧ください。
※現在作成中
残業代に不足がある場合は何を請求できるの?
残業代
不足している残業代そのものです。
遅延損害金
残業代の支払い期限を遅れたことに対する遅延損害金(利息)です。
付加金
裁判手続きを利用した場合に認められる可能性があるものです。
※労働審判では認められません。
付加金は最大で残業代と同じ額が認められることがありますが、全ての事案で付加金が認められるわけではありません。
残業代請求の時効は?
2020年4月以降に発生した残業代を請求する場合
3年間
2020年4月以前に発生した残業代を請求する場合
2年間
残業代の請求方法
会社へ請求する
会社に対し、内容証明郵便等を送り、残業代の請求を行います。
会社との直接のやりとりであり、裁判所等の法的機関は関与しない任意の交渉です。
交渉は裁判所を通じた手続きではないため、会社が請求に応じない場合が多いです。
※弁護士を立てずに自分で行う場合、労働審判や裁判を行う方が解決する可能性が高いです。
労働審判を行う
労働審判とは、裁判所を通じた話し合いの手続きです。最大3回の労働審判期日が開かれ、最後には審判(判決と同じようなもの)が下されます。
労働審判におけるほとんどの事件は1回目又は2回目の労働審判期日で和解が成立しています。
このように、労働審判では和解で解決することがほとんどです。
もっとも、和解の場合にはある程度譲歩する必要があるため、自分の請求が全て認められる和解はまずあり得ません。
そのため、一切譲歩したくない方、白黒はっきり付けたい方には裁判がオススメです。
解決までにかかる期間としては平均して3ヶ月から半年程度です。
裁判を行う
裁判とは、裁判所を通じた厳格な手続きです。
裁判所の最終的な判断(判決)を得ることができるため、問題が解決するすることはできますが、一方で負けるリスクもあります。
多くの場合、判決が出る前に和解し、判決まで争い続ける場合は少ないです。
解決までにかかる期間としては平均して半年から1年程度です。
残業代の請求方法まとめ
①自分で請求する場合には労働審判か裁判がオススメ
②その中でも早期解決がしたい人は労働審判、白黒はっきりつけたい人は裁判がオススメ
残業代請求を弁護士に依頼するメリットとデメリット
メリット
精神的な負担が減る
弁護士に依頼した場合、直接相手とやりとりする必要がなく、精神的な負担はかなり減ります。
時間が取られない
弁護士に依頼しない場合、必要書類の収集や作成、裁判所への出頭などを全て自分で行わなければなりません。その点で、弁護士に依頼すれば全て弁護士が行ってくれるため、時間を取られずに日常生活を送れます。
法的知識を駆使してうまく戦ってもらえる
弁護士は法律の専門家であるため、うまく法律に落とし込んで戦ってもらえます。
デメリット
お金がかかる
残業代請求を弁護士に依頼する場合、着手金で20万円から30万円程度、成功報酬金で勝ち取った金額の15%程度から25%程度かかります。
※着手金無料の法律事務所もありますが、その場合には成功報酬金に最低額がある場合も多く、実際には弁護士に依頼すると30万円程度はかかると思った方が良いです。
※着手金無料の場合、内容によっては受けてもらえない場合もあります。
弁護士費用を考えると、未払いの残業代が比較的少ない(50万円以下など)場合には、仮に請求が認められたとしても弁護士費用を引いた手取り額はかなり少なくなります。
できる限りお金をかけたくないのであれば、弁護士に依頼せずご自身で行う方が良いでしょう。
必ずしも弁護士に依頼すれば勝てるわけではない
弁護士はあくまで証拠を作り出すことはできません。
そのため、そもそも解雇が有効だと思われる事案では、どんなに優秀な弁護士に依頼しても勝てる可能性は乏しいです。
結果的として、弁護士費用分だけ損をしてしまう可能性があります。
自分でできる残業代請求マニュアル(実践編)
✅弁護士費用をかけずに残業代請求をすることができる
✅事例に沿った解説で残業代請求の流れや方法がわかる
✅労働審判や裁判における必要書類の集め方や書き方がわかる
✅通知書や労働審判申立書、訴状のサンプルを利用して弁護士同様に交渉・労働審判・裁判をすることができる
固定残業代の落とし穴と裁判例に基づいた正しい理解
✅固定残業代に関する基礎知識が身に付く
✅裁判例を踏まえて固定残業代が違法(無効)となる場合がわかる
✅自分の固定残業代が違法(無効)かどうかわかる
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✅退職の手順をわかりやすく解説
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